Canonと鉄道と飛行機と

鉄道と飛行機を主体とした旅好きの日誌

【鉄道撮影】 ベトナム鉄道 〜その2〜

 

ベトナム鉄道、2記事目はハノイホーチミンの南北路線。以下、統一鉄道と称す。

距離的に1700km前後。距離的には、陸路経由での福島県福島市〜鹿児島県枕崎市と同等くらいだろうか。

かつて東海道を駆け抜けた、寝台特急はやぶさ(東京〜西鹿児島<現・鹿児島中央>)以上をも超える距離を走行する。

統一鉄道は1日に4往復あり、所要時間は35時間前後とかなり長く、列車によっては2回夜を跨ぐ。

この他にもハノイ〜ダナン、ダナン〜ホーチミンハノイ〜ビン等で収束する区間限定列車も走っている。

列車は座席車と寝台車で構成されていている。

座席車は先頭・最後部のどちらかに連結され、主に短区間で利用する人向けの車両。詳細は後述するが、フエ〜ダナンで座席車が重宝される。それ以外は長距離向けの寝台車となる。

 

 

旅程の都合上、ハノイとダナンのみ訪問した関係からハノイ〜ダナンを中心に紹介する。

 

統一鉄道は全列車ハノイ駅から発着し、ロン・ビエンやザーラムといった郊外の駅から出発することはない。

出発のおよそ30分前から改札が始まり、指定された号車へと足を運ぶ。

出発時間になったら旅の始まり。特別な理由がない限りは定刻で出発する。

ベトナムの列車は基本的に定刻で走ることが多く、35時間という長丁場だとしても最終目的地にも時刻通り到着する。急な運休とかもあまりなく、スケジュールも組みやすいので非常にありがたい。

 

ハノイ駅を出発すると、観光要所として有名なトレインストリートをすり抜ける。

トレインストリートは、安全上と観光面の問題から本年2月までは通行できない状態が続いた。しかし、観光需要が復活してきたことから通行が再開し、私を含め多くの外国人が訪れた。

噂には聞いていたけれど、いざ現地に出向くとかなり至近距離を通過するので、滅茶滅茶スリルを感じる。これはなかなか日本では味わえない。

 

 

トレインストリートを過ぎると列車のスピードは一気に加速し、バイクの大群を横目に南方方面へ拍車をかける。

バイク社会とはいえ、これだけ道路一杯に広がる光景を目の前にするとこれまた圧倒される。

 

列車はこの先、世界遺産で有名なニンビン省、ビン、フエといった大都市に停車。

ニンビンは世界遺産ということもあり、乗降客数もそれなりの数いてその大半は外国人だった。それも40〜50代くらいの夫婦が多く、バスツアーで行かずに自分の足で向かうところに旅慣れてる感を感じた。

また列車によっては田舎の駅にも停車することがあり、そういった所では現地の人が食べ物や雑貨の売り込みをする光景も見られる。残念ながら自分はそういった駅に停車することはなかった。バナナ一房くらい買って見たかったのだが叶わず。

 

 

ハノイを過ぎると、道路と並行するけどそれ以外は特にない、っていう感じの景色が断続的に続く。なので正直、あまり面白味を感じない。

しかし、フエ市を過ぎると景色は一変する。これまでの道中では平地をただ突き進むだけだったのに対し、山岳地帯の狭間をすり抜ける。緑に囲まれながら、列車はベトナム中部の大都市、ダナンへと向かう。

 

これらは、ベトナム鉄道において最も眺めのいいスポットともされるハイヴァン峠。

前述のフエ〜ダナンのみで乗車する人が多い理由も、この絶景が目的だ。

この区間は、地形の問題でかなり低速で通過することから、わずか20kmの区間を1時間かけて走行する。そのため長時間、雄大なダナン湾の澄み切った青を堪能することができる。

また、ハイヴァン峠沿いは並走しているので、ダナン湾沿いを走る鉄道を撮影することができる。実際に撮影した写真がこれら2枚。

雨季がちょうど明けた頃ということから生憎の天気ではあったが、日本では見れないようなカットを撮影できた。これが夕方の橙色に染まる海岸に溶け込んだ列車を撮影できると尚よかったのだろうなと思いつつ、再訪問も悪くないなと感じた。

余談を話すと、私はバイクの免許を持っていなかったので訪問を断念せざるを得なかったと思っていた。しかし、ホテルのベルボーイが声をかけてくれて奇跡的に訪問が叶った。心から大変感謝している。記念にEOS R5でベルボーイの写真を撮ってあげて、御恩を還元した。

 

ハイヴァン峠を越えると、列車はまもなくダナン駅。

ダナンもハノイと同様、バイクの数が異常。ホーチミンはさらにその上をいくらしい。

 

 

最後に、ダナンから少し先の区間を2枚だけ。
ダナン駅はスイッチバック形式なので、数十分停まりながら方向転換をする。
向きを変えると再び、ホーチミン方面へと歩み始める。
いかにもリゾート地と言わんばかりのシンボルをくぐり抜けると、またバイクと一緒になって同じ景色が流れるのである。

 

 

本記事はここまで。

改めてなのだが、この長距離を定刻で走り切る国が日本以外にもあったことに非常に驚きを感じた。周りの海外鉄によると、欧州や米国などでは帝国に列車が現れないことはもはや当たり前の状況。そんな中少しでも時刻に気をつかってもらえると、スケジュールが本当に組みやすいので非常に助かる。

 

次回はベトナム鉄道の乗車記みたいなのを、簡単に書く予定。

道中の景色についてはこれまでで紹介しているのが大半なので、車内設備が中心の記事にしようかと。