Canonと鉄道と飛行機と

鉄道と飛行機を主体とした旅好きの日誌

【鉄道撮影】 ベトナム鉄道 〜その1〜

 

ベトナム鉄道の郊外路線は主に、ハノイを起点とする列車が多い。

Google Mapでハノイ駅と検索すると、大概この地点にヒットする。

ハノイ駅と称されるが故、確かにハノイを発着する列車の大半はこのハノイ駅から出発する。

 

しかし、ハノイ発着の列車が全てこの駅から発着するかと言われると、実は違う。

その例外となる列車が、ハノイからおよそ100km東に位置する最大の港湾都市 ハイフォンへ向かう列車、中国 南寧市に向かう国際列車となる。

ハイフォンに向かう列車はハノイ駅から北東部へ25分歩いた地点にある、ロン・ビエン駅から発着する。

そして、中国 南寧市に向かう列車は、ロン・ビエン駅からさらに4km東のザーラム駅から出発する。

ハノイ駅からはおよそ5km離れている。距離感で例えると大阪梅田駅と大阪難波駅くらい離れている。よほどの旅好きでない限り中国方面への国際列車に乗る人はいないと思うが、乗車駅にはくれぐれも注意が必要だ。

 

 

さて本題。

今回の撮影旅行はハノイ近郊で、ハノイ〜ハイフォン線の列車を主に撮影した。

現在は1日4往復運行していて、早朝ハノイ発と夜ハノイ着の1往復のみハノイ駅発着し、残りの3往復はロン・ビエン駅発着となる。

 

ロン・ビエン駅付近はバスターミナルもあるほど大きな駅。入口は3つあり、なぜか一番分かりづらそうなところから訪問した。

駅の雰囲気はこんな感じ。既にハイフォン行の列車が待機していた。
列車全体を強調できる写真の撮り方はできなかったが、この列車は機関車を客車の前後双方に備え付けるプッシュプル方式で運行されていた。

 

列車はロン・ビエン駅を出発するとバイクの大群に挟まれたロン・ビエン橋を渡る。

1902年からの長い歴史を持つこの橋は、ベトナム戦争アメリカ軍からの攻撃を受けつつも、何度も修復を遂げている。両脇は、バイク移動と徒歩移動のみ通行ができる。

列車は、かなり低速でロン・ビエン橋を渡る。

 

この写真を撮影時のエピソードだが、実はこの時の天候は晴れ。

しかし、雲一つ無いとはいえ、空は青くなかった。別に空気が原因で喘息を起こすとかはなかったが、若干黄色い空が展開されていた。とても東南アジアらしい1カットが撮れた。

 

ロン・ビエン橋を渡り終えた最初の停車駅は、ザーラム駅。
この記事を書いている現在は運行されているか不明だが、前述のとおり、ここは中国 南寧方面の発着地点となっている。

国を跨ぐ列車を走らせているのに、出国審査のような設備は全くない。

国境で全てを行うのだろう。

 

訪問の最中に貨物列車が来たので軽く一枚。

今更ながら、さっきから登場しているこの赤い機関車は、チェコスロバキアのCKD製のD12E型。

チェコ路面電車に憧れを持つ私にとって、こんなところで親近感のある列車に巡り合うことができて感無量。

 

ハノイ駅へ向かう列車にも遭遇することができた。

隣のホームから停車中を狙う予定だったのだが、ご覧の通り貨物列車にブロックされてしまった。

 

 

ハノイの市街地を抜けると、しばらくは道路と並行した農耕地を行く。

バイク社会のベトナムではハノイホーチミンなどの都会エリアは四方八方からバイクのホーンが聞こえて騒がしいが、ここまで来るととても静か。

公共交通機関がないのがネックなのだが、一人一台バイクを持つくらいのバイク社会ベトナムはそこまで心配する必要がないのだろうか。

 

ちなみに、写真はロン・ビエンからの午前便なのだが、繋いでる客車は短かった。

座席車のみというスタイルは変わらないのだが、列車によって長さは異なる模様。

 

 

旅程の都合で出せる写真はここまで。

余談なのだが、実はハノイ〜ハイフォンへ行くにはバスの方が早くて安上がり。

鉄道で行くと2時間半で950円くらいかかるのだが、バスで行くと1時間半で800円くらいでいける。

時間と金額を気にしないのであれば、片道バス・片道鉄道という移動手段で行くと面白みを感じられるだろう。

 

 

最後にスナップ写真を一枚置いて、本稿を締めくくる。